<aside> 💡 欧州宇宙機関(ESA)が提供するSARの解析ソフトウェアであるSNAPについて、その使い方などのメモを書きます。とりあえずSentinel-1の解析をやってみた結果に基づいて書いています。また、間違いなどがありましたら、ご指摘歓迎します。(ALOS-2データの解析については、DEMの位置がずれるという謎の問題がでているため、まだ検討中です。Macで最新版という環境によるものかも?)
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SNAP(Sentinel Application Platform)は欧州宇宙機関(ESA)が提供するSAR(合成開口レーダー)の解析ソフトウェアです。このツールは、地球観測データを解析し、地形や地表の変化を観測するために使用されます。ユーザーフレンドリーなインターフェイスと豊富な解析機能を備えており、科学者や研究者にとって貴重なリソースとなっています。
以下のリンクから自身のOSに対応したSNAPをダウンロードし、インストールする。Mac版のインストールの際に警告が出るときは、Controlを押しながら開く。インストール後、アップデートがあり、再起動の必要がある。
インストール後に動作が安定しないので、snap→Preference(Macの場合)でメモリのキャッシュ割り当てを増やしておくとよいかも。
デフォルトだと起動の度にプラグインのアップデートチェックが行われ、結構な確率で止まる(大学のネットワークの問題かもしれない)。ここの設定をなんとか変えたいところである(検討中)。
データはProduct ExplorerにZipファイルごと突っ込むとインポートされる(解凍して、manifest.safeをインポートでも良い)。Sentinel-1のデータは無償で公開されている。
Sentinel-1データのダウンロードにはユーザー登録が必要。この解析に使った熊本地震のデータはダウンロード済みなので、必要があれば共有します。
インポートしたデータのBandsを見るとにiとqで始まるファイルがあるが、iが実数部分、qが虚数部分を表す。SARで観測されるデータは実数部aと虚数部bを持つ複素画像 (c: complex data)と呼ばれるデータの形式になっています。cとa、bの関係は、以下の式で表されます。
$$ c=a+ib=de^{i\phi} $$
ここで、dは強度(振幅)、φは位相ということになります。
$$ d=\sqrt{a^2+b^2} $$